「蚊」は恐ろしい生物であることをご存知だろうか。
蚊は世界中に生息しており、世界で最も人類を殺している生物である。
日本脳炎やマラリアなど蚊が媒介の病気はあるが、最近では重症化すると最悪の場合死に至る「デング熱」が有名だ。
このデング熱は現在東南アジアを中心に大流行し、最近は国内でも感染が確認されている。
そこで現在、以前シャープから発売された蚊取り機能付き空気清浄機に注目が集まっている。
空気清浄機でありながら家の中にいる蚊を一掃できる機能が搭載されており、蚊対策として非常に有効だ。
そこで今回は、この蚊取り付き空気清浄機の実機レビューをし、良い点・残念な点を紹介していきたいと思う。
目次
そもそもデング熱とは?
デング熱は蚊が媒体の感染症である。
初回では症状は出にくく、複数回デングウイルスをもった蚊に刺されると症状が出て重症化する可能性がある。
頭痛、高熱、倦怠感や筋肉痛で稀に体に発疹が主な症状だ。
現在有効なワクチンや治療薬はなく、「蚊に刺されないようにする」のみが予防策。
本来は熱帯である東南アジアで流行しており、年間150〜270万人の死亡者が確認されている。
蚊は冬越すことができないため、日本ではあまり例がなかったが、近年海外から持ち込んで発症するケースが増加。
2019年には都内で海外渡航歴のない患者も複数報告されており、警戒が必要だ。
蚊の習性を利用した新しい空気清浄機
まず初めに簡単に特徴をまとめておこうと思う。
- 蚊が集まるUVライト搭載
- 全体が黒色で蚊を寄せ付ける
- 蚊の習性を利用した小窓「スリット」
- 圧巻の空気清浄能力
これまで家の中の蚊は薬剤スプレーによる対処が一般的。
しかし、薬剤を使うとニオイが気になったり、小さい子供がいる家庭は注意が必要だった。
このシャープの蚊取空清なら蚊の習性を利用した形や機能によって蚊を呼び寄せ、薬剤なしで捕まえることが可能になった。
蚊の3大習性と工夫
蚊は「黒いもの」「紫外線」「小窓」を好み、そこに集まる傾向がある。
そこで蚊取空清はこの3つの蚊の習性を利用して寄せ付け、最後は粘着シートで捕獲する。
この蚊取空清は360nmの波長を含む紫外線(UVライト)を放射。
紫外線は目視できるものでないため、放射中はLEDのライトを点灯させることで作動していることが確認できる。
紫外線は常に放射することもないため、人間への害はほぼない。
他にも蚊が隠れたくなる「スリット」形状や全体を黒色で統一することで蚊をおびき寄せる工夫がなされている。
蚊取空清の良かった点
この蚊取空清を約一年ほど使用しているが、良い点と悪い点がはっきりしている印象だ。
商品紹介と実機と比べて感じた良かった点を先に述べたいと思う。
ランニングコストが安い
この蚊取空清、価格は約30,000円と並みの空気清浄機だがランニングコストが安い。
実際に空気清浄機のフィルターは10年取り替えが不要なのに加え、蚊取り粘着シートは一枚約1,400円程度。
一枚で2ヶ月使用可能なので月に約700円程度のコストがかかる。
一見高くみえるが、蚊の発生する時期は6月〜9月の約3ヶ月であるためそこまで費用はかさまない。
夏場は蚊対策として設置し、春先は空気清浄機として花粉対策もできるため1年間を通して使用可能だ。
空気清浄機として有能
シャープの空気清浄機であるため空気清浄能力はかなり優秀だ。
スピード循環気流を採用し、部屋全体に風の流れを行き渡らせることで遠くのホコリも引き寄せ可能。
昨年、世間を賑わせたPM2.5も99%キャッチ可能でこれからの季節も安心だ。
フィルター交換後、約2ヶ月ほどの使用でこのようにホコリがびっしりと取れている。
また、スポーツ後や洗濯後の嫌な匂いもこの蚊取空清を1時間ほど稼働させておくと、匂いはほぼ無くなるほど強力な脱臭効果があった。
蚊取空清の残念な点
空気清浄能力は高い一方で、蚊取り機能はまだ十分な効果を発揮していない。
コバエなど他の虫も捕獲してくれたが、捕まえた蚊は1年間で数匹のみ。
もともと高層階に住んでおり、蚊があまりいない環境というのもあるが少し物足りない。
これに関しては水辺や草むらが周りにある家ではかなり効果を発揮したという例もあるので使う環境次第だろう。
しかし、吹き込み口の風量が弱いため蚊を吸い込みにくいのは明確であり、次回以降の製品の改善に期待したい点だ。
まとめ
いかがだったろうか。
コロナウイルスが猛威を奮う中、なかなか他の感染症に目はつけにくいかもしれない。
しかし実際にシンガポールではデング熱、マレーシアでは日本脳炎が大流行しており見逃すことはできない。
蚊取り機能はいまいちだったが、結果的に私は満足しているというのが本音。
これまでの空気清浄機の機能に加えて、蚊取り機能つくことで一年を通して使用可能になった。
これからの本格的な夏シーズンを前に、蚊対策としてぜひ検討してみてはいかがだろうか。