昨年から湾曲するディスプレイの注目度が高まり、LGディスプレイなどすでに店頭に並んでいるモノもある。
影響は電化製品に留まらずスマートフォンにまで波及し、SamsungとHUAWEIの2社が折りたためるスマートフォンを開発、発売にまで至った。単純に折りたためば1/2のサイズになるので、スマホの機能性を損なわせずに、よりコンパクトに収納できる。
折りたたみに限らず、幅や厚さの縮小はスマホ業界において重要な要素の一部である。
日常生活には欠かせない製品だからこそ、持ち歩くのにストレスを感じさせない、スタイリッシュなデザインが好まれるのは当然の傾向だと言えるだろう。
さて今回競合2社の中でSamsungから先行して折りたたみスマホが販売された。
しかしSamsungの販売したスマホに問題が生じており、結果的にユーザーの期待を裏切るものとなってしまった。
今後の改善に期待とはいえ、この逆風がHUAWEIの追風になった事は否めない。
そこでこの機会にHUAWEIから発売予定の『HUAWEI MATE X』のデザインや機能性について触れてみたいと思う。
目次
サムスン『Galazy Fold』に何が起こった?
先日Samsungから折りたためるスマートフォン『Galaxy Fold』が発売された。
このスマートフォンはこれからのトレンドの先駆けとして大注目されており、多くのメディアで取り上げられていた。
しかし現在相次ぐ不具合や交渉の報告に正式出荷が遅れるなどの報道も出ている。
Samsungの製品はAndroid製品の中でもクオリティが高く定評もあった。
私が前回更新した最新スマホ「Galaxy S10」も評価が高く、売れ行きを伸ばすのも納得の理由があった。
だからこそ「Galaxy fold」に大きな期待を寄せていた分、今回の報告は残念である。
不具合のうち主に報告として挙げられていたのはディスプレイに関する事であった。
画面が黒くなり表示できない、ノイズが入った状態になるなど、機能しないとの事。またGalaxy foldのディスプレイには保護レイヤーと呼ばれる薄いフィルムがあり、それを剥がしてしまう使えなくなったというユーザも多かった。
電子機器の分解レビューで有名な「iFixit」はGalaxy Foldについても分解のレビューを公開し、驚くほど脆いと酷評した。
今回ディスプレイに採用されているOLEDディスプレイは繊細で、少しのダメージでも影響を受けやすい。
加えてGalaxy Fold、画面の湾曲に耐えられるようにするためか、本体上下に少しの隙間を設けている。
ここにホコリなどが入り込み、折りたたみ時に圧がかかりOLEDに衝撃を与える可能性があると報告している。
本件に関してSamsungは
報じられた不具合に関する当社の調査でこれまで判明したところでは、ディスプレイの不具合は折り畳みヒンジの上下の露出部分に関連している可能性が認められた。また一例ではデバイス内に入り込んだ物質がディスプレイのパフォーマンスに影響していた。
競合社HUAWEIの折りたたみスマホに期待。デザイン。性能。
Samsungとほぼ同時期に折りたたみスマホを発表した『HUAWEI Mate X』。
正式な発売日程は分からないが、噂では今年2019年7月前には購入できるようになるのではないかとのこと。
(日本での発売は完全未定)
ただただ折りたためるだけじゃない。ハイスペックな機能をこれでもかと導入したHUAWEI史上最高峰を誇るスマートフォンである。
すでに動画などで実機レビューなどが行われており、現状では特に悪い評判を聞く事なく、期待が高まる一方である。
現在公表されているデザインやスペックについて詳しく見ていきたいと思う。
これぞインフィニティディスプレイ。
折りたたみスマホの最大の注目度はディスプレイにあるだろう。
最近は主流になりつつあるが、機能性の高いOLEDを採用し、動画や写真なども自然で美しく表現できる。
広げた時の画面サイズはiPad miniと変わらない大きさ。このサイズをコンパクトに収納して持ち運べる。
カメラ部が開いた時にディスプレイの裏側に配置される構造なので、何にも邪魔される事なく画面を隅々まで使う事ができる。
また畳んだ状態も同様、カメラ部が画面に入り込む事なく使用でき、端まで余す事なく映し出される美しさを感じる。
この点はSamsungと比べても有利な点と言えるだろう。なぜならGalaxy foldは開いた状態で右上にカメラが入り込んでしまう。
また閉じた状態ではなぜか表示される画面サイズが小さくなってしまう。
Galaxy foldはカメラとディスプレイが分かれていない分、閉じた状態はHUAWEIと比べより細くスマートになっている。
折り曲げた状態でフルディスプレイを採用すると、アプリの関係上の関係でうまく表示できないのが原因かもしれない。
高性能カメラをアウトでもインでも。
HUAWEIはP20など最新のスマホは大手カメラメーカー「Leica」とコラボしている。
3つのカメラを搭載しており、4000万画素の広角カメラ(f/1.8) + 1600万画素の超広角カメラ(f/1.6) + 800万画素の望遠カメラ(f/2.4)を兼ね備えている。HUAWEIのP20シリーズが発売された時にすべにそのクオリティの高さに驚いたが、やはり控えめにいってすごい。
HUAWEIのカメラ配置に関する構造がまた面白い。今回HUAWEI Mate Xでは前面カメラを廃止し、背面カメラで統一する事にした。
よって自撮りも性能の高い背面カメラを使って撮影する事ができる。他スマホのレビューでは前面カメラと背面カメラを比べて良し悪しを評価されていたが、もはやその必要はない。
また「撮影する側のディスプレイ」と「撮影される側のディスプレイ」が別々に用意されているのも優れた点だ。
撮影者は通常のスマホ撮影と変わらず撮影すれば良いのだが、被写体側は背面に映し出されたディスプレイで自分の姿を確認する事ができる。
これで「もっと上手に撮ってよ」なんてやり取りはしなくて済む。参考動画↓
5G対応スマホの登場
アメリカ、韓国ではすでに商用として使用されている新しいモバイル通信規格『5G』。
日本でも今年2019年秋に実装テストを行い来年2021年のオリンピックまでには間に合うよう導入されていく予定だ。
通信速度は現行LTEの約10倍と言われており、体感しなければ分からないが、あらゆる産業で活躍することは間違いないだろう。
HUAWEI Mate Xはこの新しい5Gの規格に対応しており、デュアルSIMで2枚のSIMカードを挿入する事ができる。
片方は5G/4G対応、もう片方は4G対応となる。さらにサブ6(6GHz)の環境下にて5Gの2倍の通信速度を発揮する事ができるという。
(1GBの動画を約3秒でダウンロードできる)
プロセッサはP20 Pro同様「Kirin 980」を搭載し、8GBのメインメモリと512GBのストレージを持つ。
この点Samsungの内部性能より少しは劣るが、それでもRAM、ROMとも最高峰のクラスを誇っている。
バッテリーと充電速度
バッテリー総容量は4500mAhとなっており、本体サイズに応じた大きさと言えるだろう。
本体重量も295gとタブレットサイズのディスプレイを積んでいるのだから、それなりの重さにはなってしまう。
参考としてはiPad miniなどのタブレットの容量が大体5000mAh程度なので、そこまで大きく違う訳ではない。
バッテリーが少し足りないかもしれないとの声があるかもしれないが、HUAWEIは充電速度でフォローしている。
「HUAWEI Super Charger」の採用により、55Wの急速充電が可能なのだ。30分で85%まで充電が復活し、公式の発表では「iPhone XS Maxの6倍高速に充電できる」と比較されていたほどの魅力的な性能だ。
ディスプレイが大きい最大のメリット
画面が大きく使えることで生まれた利点は「マルチタスクによる作業効率の向上」にある。
スマホを広げると画面分割による2画面操作で、それぞれ別のタスクを同時に行う事ができる。
例えばYoutubeを見ながらメッセージアプリを開いたり、Gmailを開きながら添付用の資料を探すなどもできる。ノートパソコンとまでは言わないが、PC作業に少し近い作業が出来るのはスマホ効率を格段にあげるメリットであると考えられる。
また「ファルコン ウィング デザイン」と呼ばれる構造で、ヒンジ部は100部品使用され、自然なラインで折り曲げられるようデザインされている。よって動画上ではあるが2画面間の境もスムースに見え、あまり気にならない。
閉じた状態から全画面に開く時はカメラ部の下に付いているボタンを押して、開閉する事が出来る。
使い勝手を考えると、例えばバッグにしまった時に何かが干渉して強制的に開かれるなどをボタンロックで防がれるのは嬉しいかもしれない。
ちなみに画面解除はサイドの指紋認証で開放する事が出来る。
まとめ
- OLEDインフィニティディスプレイ
- Leicaコラボの高性能カメラ
- 前面カメラと背面カメラの統一化
- 5G対応スマホ
- 8GBのメインメモリと512GBのストレージ
- 大容量バッテリー
- 55wの超高速充電
- マルチタスク作業可能
いかがでしでしょうか。まだ発売されていないのでレビュー数も少なく、評価されるまでにはまだ時間がかかる。
しかしSamsung製品への不具合報告などにより、湾曲ディスプレイへの不信感は高まっている。
HUAWEI製品には期待したいものだが、この不安を払拭できるかどうかはまだ分からない。
価格も約29万円と高価な買い物であるがゆえに、製品品質が疎かではユーザも困ってしまう。
どちらにせよ今後の新しいトレンドとして折りたたみスマホ、強いてはさらなる薄型スマホにイチユーザーとして注目していきたい。