アップルは今月5日、27インチの新型「iMac」を発表した。
これまで、デザインの一新や自社CPU搭載が噂されてきたアップルの新型PC。
今回の製品は特に見た目上の変化はなく、自社CPUの搭載も見送られた。
しかし、この新型iMacは着実に進化を遂げており、これまでの歯痒かった点を的確に改善。
おそらく、自社CPU搭載前最後のインテルマックとしてスペックに幅をもった自由度があるデバイスとなった。
そこで今回は、注目すべき新型iMacの進化を紹介するとともに、アップルの商品を安く買う方法についても触れたいと思う。
目次
iMacとして初めて「T2」チップを搭載
「T2」チップはこれまでMacBook ProやAirには搭載されていたが、iMacには設計上の問題で取り付けが難しかった。
今回ようやくiMacに追加されたことで、全てのMacにT2チップが搭載されたことになる。
T2チップは主にセキュリティ面において活躍しており、実は重要な役割を担っている。
具体的にはT2チップに内蔵される”Secure Enclave”がTouch ID やFace ID などのデータを管理、保護する。
このSecure Enclaveにはアップルですらアクセスが不可能であり、外部にデータが漏れる心配はない。
これまでiPhoneやiPadなどの持ち運ぶデバイスのみに限定されていたが、これにより自宅でも更にセキュリティ強化が可能となった。
他にも、iPhoneでおなじみの「Hey Siri」等の常時音声入力に対応や、オーディオの低音音質の向上がこのT2チップによってもたらされた。
ユーザーに優しいディスプレイに
今回の新型iMacのディスプレイは「iPad Pro」のようにベゼルレスのデザインが噂されており、デザイン面での期待が高かった。
残念なことに今回のiMacでは見た目上の変化はなかった。しかし、機能面は十分進化を遂げた。
まず注目すべき機能の一つに「ture tone」がある。
この「ture tone」は環境に合わせてディスプレイの色や明るさの自動調節が可能。
これにより目の疲労の軽減が期待されており、特に長時間パソコンと向かって作業する方には嬉しい進化となった。
また、27インチでは「Nano-Texture」のガラスオプションが選択可能。
従来のiMacなどは光沢のあるパネルであるため、光が写り込むことがしばしばあった。
しかし、Nano Textureガラスによって乱反射を防ぐことで、光の写り込みを最小限に抑えることができる。
オプション価格は50,000円と少し根が張るが、ぜひ付けたいオプションの一つだ。
CPUが第10世代に
これまで標準モデルで第8世代、上位モデルで第9世代のプロセッサが搭載されていたiMac。
今回から第10世代プロセッサが標準搭載となり、6コアから10コアまで選べるようになった。
6コアを選択した場合そこまで性能は変わらないが、上位モデルの10コアを選択するとかなりの性能アップが期待できる。
実際にアップルは2019年モデルの8コアと比べて2020年10コアはFinal Cut Pro Xの性能が40%向上したと発表。
他にも、全モデルに高速SSDストレージの搭載やFaceTimeカメラの画質も1080pに向上、マイクの音質も改善されるなど地味だがユーザーにとって嬉しい進化が多い。
最新モデル Apple iMac Retina 5Kディスプレイモデル (27インチ, 8GB RAM, 256GB SSD)
アップルの製品を安く買う方法
ここまで魅力的な新型iMacについて紹介してきたが、問題は価格だ。
最近は導入型モデルも多く発売され、前よりは購入しやすくなったアップルの製品だが依然として高めの価格設定だ。
そこで、アップルの製品を少しでも安く購入する方法をいくつか紹介したいと思う。
アップル公式の認定整備済み製品
実はアップルは新品だけでなく、新古品も販売している。
新古品とは不具合があって返品され修理されたものや過去に店頭に並んだ製品のことを指す。
いわゆる「訳あった商品」なので基本的に定価より15〜20%ほど安く購入することができる。
過去に不具合があった製品ということもあり、なかなか手を出しにくい方はいるだろう。
しかしこの新古品、アップルが徹底的に動作確認やクリーニングを施して販売しているため新品と比べてほとんど遜色がない。
実際に私もこの認定整備済みのMacBookを購入したことがあるが全く不具合はなかった。
もし心配であれば整備済み製品であっても1年間の保証がつく上に、Appleケアへの加入も可能。
この整備済み製品のラインアップはタイミング次第で変わるため、欲しい商品がある方は適宜チェックすることをオススメする。
海外在住で免税が適応
これはあまり多くはないケースだが、海外在住の方であればアップルの製品をお得に購入ができる。
よく道を歩いているとTax Free(免税)の看板を見かけることはないだろうか。
よく中国人観光客が免税を利用して、爆買いをしているあのシステムである。
実はあの免税は海外在住の日本人にも適応される。(以下 観光庁による非居住日本人の条件)
①外国にある事務所(日本法人の海外支店等、現地法人、駐在員事務所及び国際機関を含む)に勤務する目的で出国し外国に滞在する者
②2年以上外国に滞在する目的で出国し外国に滞在する者
③[1]及び[2]に掲げる者のほか、日本出国後、外国に2年以上滞在するに至った者
④[1]から[3]までに掲げる者で、事務連絡、休暇等のため一時帰国し、その滞在期間が6か月未満の者※居住者又は非居住者と同居し、かつ、その生計費が専らその居住者又は非居住者に負担されている家族については、その居住者又は非居住者の居住性の判定に従うことになります。
海外在住の方はこの制度をうまく利用すれば、日本への一時帰国時に10%の免税で購入可能だ。
特にアップルの製品は定価が高い分、物によっては数万円のコストカットが実現できる。
まとめ
いかがだったろうか。
新型iMacは目立った進化はなかったものの、これまでの惜しかった部分を補完し理想的なiMacに近づけた。
価格も前モデル発売時と比べると比較的安価に設定されており、意外と買い時かもしれない。
おそらく最後のインテルマックとして発売された新型iMac。
自社CPU変更後すぐにはこのスペックと同等のPCを発売することは不可能に近いため、最新のスペックを求める方は今のうちの購入を検討してみてはいかがだろうか。