「携帯料金の値下げ」最近ニュースなどでよく聞くワードではないだろうか。
これまでの携帯会社の寡占状態を改善する為、菅内閣の目玉改革として注目を集めている。
実際に27日には総務省が携帯料金に値下げに関した政策をまとめた「アクションプラン」を公表。
メールアドレスの継続利用など、携帯会社乗り換えしやすくし事業者社間の競争を促した。
既にKDDIとソフトバンクは新料金プランを発表しており、早速改革案の影響が見受けられる。
しかし、料金プランは若干複雑である為、結局のところ変更点がわかりづらい。
そこで今回は、政府の改革案である「アクションプラン」について解説すると共に、各携帯会社が発表した新プランについてまとめていきたいと思う。
目次
携帯料金改革案「アクションプラン」とは?
「アクションプラン」は携帯料金の値下げに向けた政府の方針をまとめた案のこと。
このプランは主に三つの柱から構成されている。
簡単に三つの柱ををまとめておこう。
- わかりやすく、納得感ある料金・サービスの実現
- 事業者間の公正な競争の促進
- 事業者間の乗り換えの円滑化
各項目に分けて、詳細を見ていきたいと思う。
わかりやすく、納得間のある料金・サービスの実現
現在の携帯会社の料金プランに対してどうお考えだろうか。
大手3社だと月に8千円近くの支払いが発生する為、高く感じている方も多いのではないだろうか。
実際に日本における携帯料金は世界主要6都市の中でも一番高く設定されている。
比べるとなんとロンドンとの差は4倍近くとなっている。(ロンドン 2,700円/月)
(東京、ニューヨーク、ロンドン、パリ、デュッセルドルフ、ソウル 2020年3月時点)
また、料金プランは複雑であることが多く、なんとなく請求がきたから支払いする方も多い。
そこで、政府が各携帯会社のわかりやすいプランへと改善を求めるのが、改革の第一の柱である。
具体的には、通信料金と端末代金の完全分離や「頭金」などの誤解を与える表記の是正などだ。
これらは料金プランを複雑にする要因であり、その複雑さが携帯会社の乗り換えを阻害していると政府は判断。
公平な競争市場を目指すために、シンプルで乗り換えしやすい環境を整えるのが一つ目の柱だ。
事業者間の公正な競争の促進
これまで格安スマホ会社は大手携帯会社に多額のデータ使用料を払っていた。
これに対して政府は、大手3社に回線使用量の値下げを求めていくことが決定した。
実現すると格安スマホ会社のさらなる携帯料金値下げや魅力的なサービスを生みだすと仮定し、
多様で魅力的なサービスによる利用者の利便性向上を目指すのが政府の主な狙いである。
事業者間の乗り換えの円滑化
総務省によると2020年6月末時点での契約数のシェアは以下のようになっている。
見ていただけるように、大手3会社のシェアの合計は86%であり圧倒的だ。
これまでの乗り換えは複雑かつ、電話番号の変更など何かと手間なことが多かった。
しかし、政府が掲げる第三の柱では、これまでの手間だった乗り換えを簡略化する。
具体例では、携帯会社を変更後も携帯番号やキャリアメールを使用が可能だ。
既にキャリアメールを利用している方は少ないが、電話番号を変更しないくても良いのは嬉しい。
他にも、キャリアによるSIMのロック解除やオンラインで契約から利用までの手続きを完結するeSIMの促進も検討されている。
各携帯会社の動き
気になる各携帯会社の動きだが、現状動いたのはソフトバンクとauのみだ。
今回は動きがあった両社についてまとめる。
ソフトバンク(ワイモバイル)
ソフトバンクは第2ブランドである「ワイモバイル」に対して新プランを発表した。(12月下旬導入)
料金体系は20GBで月額4,480円(一回10分以内 国内通話無料)となっている。
ソフトバンクには50GBで月額7,480円のプランがあり、従来のワイモバイルのプランは14GB。
20GBである今回の新プランはまさに間をとった位置付けとなりそうだ。
ソフトバンク50GBプラン→1GBあたり約150円
ワイモバイル20GBプラン→1GBあたり約224円
メインブランドであるソフトバンクのプランでの値下げはなく、あくまでワイモバイルでの「値下げ」だ。
つまり安く使うには乗り換えが必要である。
また、今回のワイモバイルのプランでは「家族割」や「セット割り」は対象外だ。
しかし、乗り換えの際に発生する3,000円の手数料は無料となる。
au (UQモバイル)
auも同じくサブブランドであるUQモバイルでの値下げを実施した。(来年2月以降導入)
また、プラン内容もほぼ同じで20GBで月額3,980円(税抜き)に設定された。
ソフトバンクとは違って、通話オプションは含まれておらず家族割などの割引は含まれていない金額だ。
auでは月額7,650円でデータ使用無制限プランがあるので、今回のプランは従来のUQモバイル10GBとの中間に位置する。
また、auのメインブランドでの値下げではないため新プランに変更したい場合は、乗り換えが必要である。
内容・中身共に両者ほぼ一緒であり、サブブランドでの値下げとなった。
結局はどちらのプランも特定のユーザーのみにしか値下げは適応されない為、ネット上では落胆の声も多い。
ドコモ
ドコモは現在まだ新料金プランについては発表していない。
NTTがドコモ株式の後悔買い付けをしているので対応が遅れていると考えられる。
大手2社が期待とは違う方向での値下げになった分、どう出るのか非常に注目だ。
まとめ
いかがだったろうか。
政府の新方針である「アクションプラン」によってモバイル産業は変革を迫られている。
今の所、値下げはされつつもサブブランドでの新プランなので、不満は否めない。
しかし、「アクションプラン」はまさに今発表された所であり、まだまだ改革は進んでいく。
既に特定のユーザーに対しては、乗り換える価値があるものであるので、今一度自分の利用状況や料金を見直してぜひ検討してみてはいかがだろうか。